膵石症に対する体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)
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概要
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慢性膵炎にともなう膵石症は難治性疼痛と膵機能の低下を示す場合が多い.今回,体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)単独で治療した膵石症22例を対象に治療効果と平均3年(0.5-8年)の追跡結果を検討した.11例で完全砕石,10例で不完全砕石,1例で破砕効果を認めず,結石破砕率は95.5%で完全砕石率は50%であった.疼痛緩和率は95.5%で,疼痛の完全寛解率は81.8%であった.主膵管狭窄を有する場合や結石が大小多発している場合,完全砕石率が有意に低かった.偶発症は急性膵炎と急性胆嚢炎の2例でいずれも保存的治療で軽快した.膵の内·外分泌機能は治療前後で有意な変化を認めなかった.完全砕石例では結石の再発を認めなかった.完全砕石11例では疼痛は全例消失したが,一方不完全砕石10例中8例でも疼痛は消失した.ESWLは単独治療でも結石破砕効果,症状緩和効果が高く膵石症に対する有効な治療法であることが示唆された.
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