自己免疫性膵炎の膵外病変‐全身性疾患の可能性‐
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概要
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自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis,以下AIP)は胆管,涙腺,唾液腺,腎,肺,後腹膜腔,前立腺,甲状腺,下垂体,縦隔リンパ節などの膵以外の種々の臓器に膵病変と同様の病理組織学的所見を示す病変を合併する.これらの病変は,膵病変と同時または異時的に発症し,多くはステロイド治療に良好に反応する.全身合併症を有した群は有しない群と比較してγ-globulin, IgG, IgG4の値が有意に高値を示し,より免疫学的な病勢が強いと考えられた.全身合併症を正確に診断することは,合併症に対する無用な侵襲的治療を避けるとともに,AIP自体の診断をより確かなものとする.また,免疫組織学的検討によりAIP患者の血清中には膵管上皮,肝内外胆管上皮,胆嚢上皮,唾液腺の導管上皮などに対するIgG4に属した自己抗体が存在することが明らかとなり,AIPは全身疾患の一部分症である可能性が示唆された.
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