Perfusion CTによる急性壊死性膵炎の診断
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概要
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我々は,multi-detector row CT(MDCT)を用いた膵のperfusion CTによる膵血流の評価を行い,急性膵炎早期の膵病変診断とくに壊死性膵炎診断における有用性を検討した.健常人10例,急性浮腫性膵炎7例,急性壊死性膵炎5例についてperfusion CTを行い,perfusion, peak enhancement intensity(PEI),time to peak(TTP),blood volume(BV)について検討した.急性膵炎では,健常人と比較して,perfusion, PEI, BVのいずれも有意に低下し,TTPの延長が認められた.急性膵炎での比較では,壊死性膵炎の造影不良域は,浮腫性膵炎に比較して,perfusion, PEI, BVのいずれにおいても明らかな低下が認められた.2週間後のfollow-up perfusion CTでは,浮腫性膵炎は明らかにperfusionが回復したのに対して,壊死性膵炎ではさらにperfusionの低下がみられた.急性膵炎発症早期にMDCTを用いたperfusion CTを行うことで,膵の灌流状態を評価することが可能であり,膵壊死の診断精度が飛躍的に向上するものと考えられた.
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