悪性膵solid‐pseudopapillary tumorの1男性例
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概要
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症例は59歳男性で,心窩部痛を主訴に近医を受診し,膵頭部腫瘍の診断で紹介となった.腹部超音波で膵頭部に境界明瞭な径5 cm大の高エコー腫瘤を認め,内部に石灰化を伴っていたが,明らかな嚢胞成分は認めなかった.腫瘍は造影CTで遅延性の造影効果を示し,内部に変性を示唆する不染域を認めた.充実性のsolid-pseudopapillary tumor(SPT)あるいは乏血性の膵内分泌腫瘍の診断にて,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSpPD)を施行した.切除標本は被膜を有する白色調の充実性腫瘍で,内部に明らかな嚢胞成分は認めなかった.病理組織学的には腫瘍細胞は細血管周囲に偽乳頭状の増殖を示し,免疫染色にてchromogranin A(-),synaptophysin(-),CD10(+)であり,膵SPTと診断した.また核分裂像や静脈侵襲,神経周囲浸潤を認め,組織学的に悪性と考えられた.
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日本膵臓学会 | 論文
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