内視鏡的膵管ドレナージ術にて嚢胞内感染を生じた縦隔内膵仮性嚢胞の1例
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概要
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患者は53歳,男性.2合30年間の飲酒歴有り.以前より慢性膵炎の診断に対し近医にて外来通院を受けていた.2004年9月初旬より呼吸困難,右側胸部痛を自覚,近医を受診し右胸水貯留,血清・胸水中アミラーゼ高値を認めたため蛋白分解酵素阻害剤投与等による保存的加療を施行されるも軽快せず当科入院となる.胸腹部CT,ERPにて膵管の破綻による膵性胸水を伴う縦隔内膵仮性嚢胞と診断した.膵管減圧のため内視鏡的膵管ドレナージ術を施行,胸水減少,血清アミラーゼ値低下するも炎症反応の上昇及びCTにて縦隔内仮性膵嚢胞の増大を認めドレナージ術施行による感染と診断,経皮的嚢胞ドレナージ術を施行した.その後,炎症反応低下,CTにて嚢胞の消失を認めた.近年,内視鏡的膵管ドレナージ術が縦隔内膵仮性嚢胞の治療に有用であるとの報告があるが,感染合併の可能性にも十分留意し施行する必要があると思われた.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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