すい石出現を伴う特異的な長期経過を示した自己免疫性すい炎の1例
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概要
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症例は60歳, 男性, 飲酒歴は日本酒2合40年間. 1998年1月, 黄疸を指摘された. 血液検査で肝胆道系酵素の上昇を認めるも, 血中γ-glb, IgGは正常であった. US, CTで膵はびまん性に腫大し, ERPでは膵頭部, 体部の主膵管狭細像があり, 尾側膵管の軽度の拡張を認めた. PTCS下生検で悪性像を認めず, 自己免疫性膵炎類似の病態と考えPSLを投与した. 膵腫大, 膵管狭窄は改善するも胆管狭窄は改善せず, 胆道内瘻術を行った. 2000年にCTにて膵石を認めた. 2003年4月のUS, CTで膵のびまん性腫大を認め, IgG 3,541mg/dl, IgG4 1,870mg/dl, 血中γ-glb 3.13g/dl と上昇したため, 自己免疫性膵炎と診断した. 本例は膵管狭細型慢性膵炎を発症し, 膵石を合併の後に自己免疫機序が明らかになったと思われる. 慢性膵炎. 膵石症, 膵管狭細型慢性膵炎, 自己免疫性膵炎の四者の成因, 進行を考える上で示唆に富む症例であると考え報告した.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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