急性すい炎後すい仮性嚢胞に横隔膜下膿よう,気管支ろうを合併した1例
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概要
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急性膵炎後に仮性嚢胞が横隔膜下膿瘍を併発し, 横隔膜脚裂孔より波及して気管支瘻と肺膿瘍を形成してドレナージでは治癒しなかった65歳女性に対して, 横隔膜合併左肺下葉切除と膿瘍ドレナージおよび有頸の広背筋弁による横隔膜再建を行い, 術後2年間再発を認めていない. 集計しえた最近の本邦報告例は, 膵気管支瘻3例, 横隔膜下膿瘍気管支瘻は2例であった. 保存的治療で治癒しない膵気管支瘻と横隔膜下膿瘍気管支瘻では, 外科的治療として胸腔側からでは肺切除や瘻孔閉鎖術が, 腹腔側からでは膵仮性嚢胞内瘻術や膵切除がそれぞれ行われる. 本例のごとく, 腹腔側の感染が軽快し, 膵管との交通がない横隔膜下膿瘍気管支瘻の場合には, 胸腔からの手術で治癒できると考えられた.
- 日本膵臓学会の論文
日本膵臓学会 | 論文
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