腸骨動脈瘤により生じた尿管破裂に対してステントグラフトを用いた低侵襲治療にて対応し得た1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
要 旨:症例は75歳男性.背部~右側腹部痛のため当院に救急搬送となった.造影CTにて造影剤の後腹膜腔への漏出を認めたが,同時に拡張した尿管と貯留した造影剤が動脈瘤部位と異なっていることより尿管破裂と診断した.泌尿器科にて腎瘻を増設後,動脈瘤に対しては待機的にステントグラフト内挿術を行った.術後脚閉塞を生じたものの,保存的に加療し得た.尿管破裂に至った水腎症に関しては,ステントグラフト挿入後に改善し,腎瘻を尿管カテーテルに交換後,抜去することができた.大動脈瘤の合併症状として水腎症を生じる例はあるが,尿管破裂を発症することは非常にまれである.症状の経過より炎症性動脈瘤であることが示唆されるが,待機的ステントグラフト内挿術を用いた低侵襲治療により良好に管理し得た.
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 | 論文
- II型急性大動脈解離に対する上行置換術周術期に発症したIII型解離の1例
- 人工膝関節置換術後リハビリ中に発症した膝窩動脈仮性動脈瘤破裂の1例
- 成人で発見された重複大動脈弓の手術経験
- 腹部大動脈人工血管置換術後非感染性吻合部仮性動脈瘤破裂の1例
- 胸部,腹部重複大動脈瘤に対するTEVAR+EVAR一期的手術の治療成績