自家大伏在静脈パッチを用いた下大静脈再建が有効であった後腹膜悪性腫瘍の2例
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概要
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要 旨:今回われわれは,下大静脈(IVC)の再建において,大伏在静脈を縦に開いてシート状にし,並列に並べて1枚のパッチとして使用する"two-sheets patch"による再建を2症例において施行した.症例1:28歳・男性,平滑筋肉腫のIVC浸潤に対して腫瘍切除とIVCパッチ再建を行った.術後33カ月が経過し,IVCの血流は良好である.症例2:59歳・男性,診断は右副腎原発平滑筋肉腫のIVC浸潤,右腎浸潤であり,腫瘤切除,右腎摘出とIVC再建を施行した.術後22カ月で多発転移のため死亡したが,IVC関連の合併症は認めなかった.2例とも広範囲に亘るIVC切除を要したが,人工血管置換を回避すべく本法を選択し,良好な結果を得た.広範囲のIVC切除における自己組織でのパッチ形成は,術後の抗凝固療法を不要とし,生活の質の向上に寄与し得る点で有用である.
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 | 論文
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