背部痛を契機に診断された巨大上腸間膜動脈瘤の1治験例
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概要
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要 旨:症例は21歳男性.18歳の頃より時折背部痛を自覚し,最近頻回になった.CT検査で最大短径80 mmの巨大上腸間膜動脈瘤を認め,手術目的で当院入院となった.手術は腹部正中切開で行い,可能な限り上腸間膜動脈瘤を摘除するために上腸間膜動脈根部は大動脈分岐部で縫合閉鎖した.上腸間膜動脈瘤の末梢側は閉塞し,娘動脈瘤に連続していた.小腸,結腸への血流は,下腸間膜動脈から中結腸動脈を介した側副血行のみで,その途中に娘動脈瘤があるため,瘤切除・端々吻合を行って血行再建した.術後は腸管虚血などの合併症なく経過順調であった.動脈瘤壁の病理所見は線維筋性異形成(FMD)であった.上腸間膜動脈瘤の頻度は腹部内臓動脈瘤の中でも5%と低く,多くの場合は無症状で経過するが,破裂で発見されることも少なくない.今回われわれは,背部痛を契機に診断された巨大上腸間膜動脈瘤の手術治験例を経験したので文献的考察を加え報告する.
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 | 論文
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