馬蹄腎を伴った腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術の1例
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概要
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近年,馬蹄腎を伴った腹部大動脈瘤に対する,ステントグラフト内挿術(EVAR)の報告が散見されるが,異所性腎動脈の再建については議論の余地がある.本疾患に対し,異所性腎動脈の再建を行わずにEVARを施行した症例を報告する.症例は72歳,男性.腎機能は年齢相応.術前CTで最大径52 mmの腎動脈下腹部大動脈瘤を認め,馬蹄腎を伴っていた.術中選択的腎動脈造影で,腎峡部への異所性腎動脈の灌流域が腎全体の1/3未満であったため,この血管を再建することなく,EVARを行った.術後造影CTで腎峡部梗塞領域は腎全体の約20%であった.経過は良好で腎機能値の上昇は軽度で一過性であった.本疾患にEVARを施行する際の異所性腎動脈の再建の必要性については今後の検討を要するが,術前腎機能に問題がなく,異所性腎動脈の灌流域が広くない場合は,再建する必要がないことが示唆された.
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 | 論文
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