Intimal intussusceptionを伴った全周性Stanford A型急性大動脈解離の1例
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概要
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急性大動脈解離時に,上行大動脈が環状面で内膜が全周性に離断し,内膜flapが重積(intimal intussusception)することによりさまざまな合併症を呈することは稀である.しかしながら,flap重積に伴う合併症は非常に重篤であり緊急を要する.症例は51歳,男性.胸背部痛にて当院救急搬入.来院直後よりショック状態であり,左冠動脈領域の虚血とaortic regurgitationを伴った偽腔開存型のtype A dissectionと診断し緊急手術施行.術中所見ではST junction levelで内膜は全周性に完全離断しflapとなっていた.このflapが中枢側に篏入することにより,左冠動脈入孔部への血流低下,大動脈弁閉鎖不全症を発症した.術後経過は良好,術後22日目に独歩退院した.Intimal intussusceptionを伴ったA型解離は重度の合併症を呈するため,速やかな診断・治療が必要である.
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 | 論文
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