下行大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術時に腹部大動脈および腸骨動脈を損傷した 1 例
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概要
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【背景】ハイリスク症例における経皮的ステントグラフト内挿術を施行する際,合併症が起これば致命的になりうる.【症例】82歳男性.膀胱癌の術前精査のため施行した胸部Xpにて異常陰影を指摘され,当科紹介された.胸部CTにて下行大動脈に最大径52mmの嚢状動脈瘤を指摘された.また全身精査にて,慢性腎不全(CCr 30ml / 分),冠動脈硬化症,脳動脈硬化症を指摘された.【結果】本症例に対し,泌尿器科にて内視鏡的腫瘍切除術を施行ののち,平成18年10月に経大腿動脈アプローチにてTPEGを施行した.しかし,デリバリーシース引き抜き後ショック状態となり,緊急開腹にて腹部大動脈損傷および右外腸骨動脈の内膜剥離を認め,損傷部に対し人工血管置換術を施行し,救命しえた.【結論】TPEGは低侵襲治療として確立しつつあるが,本症例のようなステントグラフト特有の合併症を念頭において施行する必要がある.
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 | 論文
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