肺癌合併胸部大動脈瘤症例に対し腹部大動脈よりアクセスしたステントグラフト内挿術の1例
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概要
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症例は77歳, 女性. 近医で右肺癌と胸部下行大動脈瘤を認め, 当科を紹介された. 下行大動脈に左側へ嚢状に突出する径45mmの動脈瘤を認め, 内腔の大部分は血栓で占められていた. また, 右肺下葉には径31mmの腫瘍を認めた. 総腸骨動脈の瘤様拡張と外腸骨動脈の狭小化を認めたため, 通常のアクセスが困難と考え, 開腹下に, 腹部大動脈に吻合した人工血管からアクセスし, ステントグラフトを内挿した. 右肺癌に対しては, 二期的に右下葉切除術を施行した. 腹部大動脈に吻合した人工血管からアクセスし, ステントグラフトを内挿する方法は, 本症例のような通常の動脈アクセスが困難な患者に対して有用と考えられた.
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 | 論文
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