内頚動脈の血行再建が眼虚血症候群に有効であった2症例
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概要
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視力低下と眼底出血から眼虚血症候群と診断され, それを契機に内頸動脈狭窄と診断された2症例を経験した. 眼虚血症候群とは, 何らかの要因によって網膜の循環が不良となり慢性化した状態で, 網膜色調の左右差や蛍光眼底染色法における腕眼循環時間で判定されるが, 頭蓋外頸動脈病変との関係も報告されている. 内頸動脈の有意狭窄に起因した眼虚血症候群を呈した2症例に対して, 症例1では頸動脈内膜切除術 (carotid endarterectomy; CEA) を, 症例2ではバイパス術による血行再建を施行したところ, 両症例とも視力が回復した. 全身併存症が耐術の場合には外科的治療が有効であるが, 術後脳出血や眼圧上昇などの合併症に対し血圧と眼圧の管理が非常に重要であった. 眼虚血症候群症例に対して血行再建術を行い, 良好な経過を辿った2例を経験した. CEAや血行再建術は本症候群に対して有効な治療法であるといえる.
- 特定非営利活動法人 日本血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 | 論文
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