直腸固定術で治癒した完全直腸脱に伴った粘膜脱症候群の1例
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概要
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症例は65歳女性,下血,直腸脱を主訴に来院した.Hb6.8g⁄dlと高度の貧血を認め,排便時に手拳大の完全直腸脱を認めた.下部消化管内視鏡検査では肛門縁より5~15cmの直腸に全周性の粘膜浮腫,発赤,ポリープ状の隆起性病変が認められた.病理組織では異型性の無い腺管の増生,固有層間質に細血管の増生拡張・平滑筋組織の樹枝状増生が認められ臨床症状とあわせて完全直腸脱に伴った粘膜脱症候群(Mucosal Prolapse Syndrome: MPS)と診断した.MPSの治療の基本は排便時のいきみの制限,緩下剤による便秘の予防などの保存的治療である.本症例では高度な直腸脱を認めた為,経腹的直腸固定術を施行した.術後経過良好で直腸脱の再発なく,粘膜病変の改善も見られ,MPSに対しても良好な治療効果が得られた.また,MPSと直腸脱の関係を考える上でも重要な症例と考えられたため報告する.
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