集学的治療を行った進行食道癌と多発性肝細胞癌の同時性重複症例
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概要
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食道癌と肝癌の合併は稀であり,予後は不良とされている.今回われわれは進行食道癌と多発性肝細胞癌(以下,HCC)を同時性に重複した症例を経験した.症例は65歳,男性.2006年5月,嚥下困難の精査目的で当院入院となる.胸部中部食道に径5cmの3型腫瘍があり,生検の病理結果で扁平上皮癌と診断した.また,造影CTで肝S8に径5cmの腫瘤を認め,血管造影検査でS6にも径2cmの腫瘤を認め共に早期より濃染されwash outされることよりHCCと診断した.最初にHCCに対して経皮的にラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation 以下,RFA)を行った後,食道癌手術を施行し,さらに食道癌遺残に対しドセタキセルを用いた化学療法を追加した.術後4か月後のCT検査でHCCの再発が疑われRFAを追加した.さらにその4か月後のCT検査でHCCの再々発が疑われたため肝動注化学療法およびRFAを追加施行した.術後約1年経過した現在は両疾患ともに再発を認めず,健在である.文献的な考察を加え報告する.
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