上行結腸癌の手術中に偶然発見された空腸迷入すいの1例
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概要
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上行結腸癌手術中に偶然発見された空腸迷入膵の1例を経験したので報告する.症例は73歳女性.便秘,腹部膨満感,左下腹部痛のため精査目的で当科入院となった.腹部X線検査で下行結腸より口側に多量のガス貯留を伴う著明な腸管拡張を認めた.大腸内視鏡検査では下行結腸に約10cmにわたる虚血性変化と思われる狭窄部位を認めた.また,上行結腸起始部に2型の腫瘤が認められ病理組織学的検査でadenocarcinomaと診断され回盲部切除が施行された.開腹時の腹腔内検索でTreitz靱帯より130cm肛側空腸の腸間膜対側に直径約1cmの腫瘤を触知したため空腸部分切除を追加した.術後病理組織学的検査で小腸腫瘤はHeinrich分類III型の迷入膵と診断された.開腹手術時の腹腔内臓器検索の際には本症例の存在も考慮に入れるべきであると考えられた.
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