Histomorphometric Analysis of Development and Morphogenesis of Mouse Temporomandibular Joints
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概要
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顎関節は下顎頭, 側頭骨下顎窩, 関節腔, 関節円板や周囲筋組織で形成される複合器官である。 本研究では, C57BL/6系マウスを用いて胎生期から授乳期にいたる顎関節の形態形成と組織特異的マーカーの発現を検索した。 胎生12.5日—生後7日目の野生型マウスから作製した頭部連続切片に, 組織染色 (ヘマトキシリン・エオジン, トルイジンブルー), アゾ色素法を用いた酵素組織化学によるアルカリフォスファターゼ (ALP) と酒石酸耐性酸性フォスファターゼ (TRAP) による二重染色, 抗BrdU抗体と抗II型コラーゲン抗体を用いた免疫組織化学を施した。 今回の組織観察から, 以下の諸点が確かめられた。 1) 胎生13.5日のメッケル軟骨外側上方に, ALP活性を特徴とする下顎頭細胞原基が出現した。 また, 同部位ではBrdU陽性反応も呈した。 2) 細胞原基の分化に続いて, 下顎頭の形態形成は前方から後方へ進行した。 他方, 下顎窩は後方部から下顎頭を被覆するように形態形成を遂げた。 3) 下顎頭が機能を開始するとともに, 関節円板と関節腔の形態が明瞭となった。 BrdUを投与した組織形態学的解析から, 発生期での下顎頭の成長発育は, 胎生13.5日前後での細胞凝集に始まる細胞増殖期, 胎生14.5-17.5日での基質産生による急速な組織容積の増加を特徴とする細胞分化期, 生後の個体成長に伴う機能適応期の3期に分離できた。 今回の組織観察から, 下顎骨発生に関与する間葉系細胞集団と下顎頭細胞原基との空間的な連結を支持する所見も得られており, 今後, ALP陽性細胞集団の三次元解析から下顎頭原基の発生機序を明らかにすることを予定している。
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