長崎県五島奈良尾町住民のActinic Keratosisの頻度と本症に対する認識度
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概要
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Actinic keratosis(AK)の頻度を検討する目的で, 長崎県五島奈良尾町を対象地として検診を行い, あわせて長崎大学医学部附属病院皮膚科外来との比較を行つた。検診では総人口5,090人のうち50才以上の1,751名にアンケートを配布し, 1,090通を回収した(回収率62%)。受診者は99名, 生検施行例24名(27標本)であつた。生検の結果は, AK 16名, 脂漏性角化症3名, 老人性色素斑8名で, 受診者中のAK発生率は16.2%であつた。また, その部の皮疹の存在に気づいていたのはAK患者の31.3%にすぎなかつた。これに対し, 長崎大学皮膚科で皮疹に気づいていた者はAK患者の63.6%と高かつた。また, 受診者数に対するAK症例の年令別頻度は, 高令になるに従つて増加する傾向を示した。今後さらにAKに対する認識を高めるとともに, 受診率を向上させる必要があると考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
著者
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鳥山 史
長崎大学医学部皮膚科学教室
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宿輪 哲生
長崎大学医学部皮膚科学教室
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堀 真
長崎大学医学部皮膚科学教室
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喜々津 京子
長崎大学医学部皮膚科教室
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豊島 弘行
長崎大学医学部皮膚科教室
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山城 一純
長崎大学医学部皮膚科教室
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藤田 和夫
長崎大学医学部皮膚科教室
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