国際緊急援助活動における実践的な診療記録の開発研究~IDR Medical Record 2012の提案~
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概要
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<B>目的</B><BR>近年、大規模な自然災害が世界中で頻発しており、わが国は積極的に国際緊急援助活動(IDR)に参加している。効率的で効果的なIDRを行うためには、被災地の混乱した状況の中でも受診患者の特徴や実際の医療活動を記載し、評価・分析できるような診療記録が必要不可欠である。IDRにおいて使用する診療記録の具備すべき条件について調査し、効果的なIDRのための診療記録のフォーマットを提案することを目的として研究を実施した。<BR><B>方法</B><BR>IDRの活動経験がある医師24名、看護師17名、および国際的に活躍している災害医療の専門家10名を対象に、効率的で効果的なIDRが行える理想的かつ実践的な診療記録の形式について自記式質問紙調査票の配布および面接にて調査した。そのデータをもとに、診療記録のフォーマットについて検討した。<BR><B>結果</B><BR>第一次調査では、効率的で効果的なIDRが行える理想的な診療記録として、半数以上の対象者が、「記入のしやすさ」、「簡便性」、「記載言語(英語併記)」、「見やすさ」、「国際基準(WHOの定める基準等)との互換性」、「人体図の記載」、「症状の記載の平易さ」、「耐久性(耐水性を含む)」、「処方箋との一体化」の9項目を重視すると回答した。一方、「他の医療組織との互換性」、「パソコン入力等の電子化」、「検査伝票・報告書との一体化」の3項目を重視する回答は、半数以下であった。<BR>第二次調査では、第一次調査の結果をもとに作成したIDR Medical Record 2008に対する評価の調査を実施した。その結果をもとに、IDR Medical Record 2012を作成した。<BR><B>結語</B><BR>IDR経験者および災害医療の専門家を対象として、IDRにおける医療活動に役立つ実践的な診療記録であるIDR Medical Record 2012を提案した。
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日本国際保健医療学会 | 論文
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