アフリカにおける保健開発 : 健康水準の加速的改善と日本の開発援助への提言
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概要
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従来「停滞」「悪化」で語られることの多かったアフリカにおいても、急激な保健サービスの拡大と、健康水準の改善が進んでいることを示唆する研究結果が相次いで発表されている。エイズ、結核、マラリアなど感染症対策は、特に2005年以降急激な拡大が報告されている。2000年以降実施された全国規模の調査(DHS等)によると、10カ国以上で年率換算5%以上の子どもの死亡率削減が観察される。アフリカの保健開発における革命的な変化には、2000年以降5倍以上に拡大した開発援助資金が大きな役割を果たしている。翻って、日本政府の二国間による対アフリカ保健分野開発援助(国際機関やグローバル・ファンド等を通じた貢献を除く)はTICAD IVでの公約を踏まえて2008年以降倍増しているものの、金額規模では全体の1%、相手国民一人当たりに換算すると年間10円強であり、全体への貢献度は限られている。日本による今後の対アフリカ保健開発援助のあり方として、経常経費支援を含む量的な拡大、援助資金の使途についてのルール作りとモニタリングに対する援助協調枠組みを通じた支援、支援対象国の絞込み、保健システム強化に向けた取組みへの着目、アフリカにおける保健開発の推進要因についての科学的な検証、の5点を提言する。
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