災害後における大規模予防接種キャンペーンの検討‐ハイチ大地震での活動を通して‐
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概要
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大規模災害など、避難民が密集する場所では衛生環境が悪化するため、感染症の流行の可能性が指摘されている。2010年1月に発生したハイチ大地震は、首都ポルトープランスを直撃したため、政府の機能は崩壊し、住居を失った多くの被災者は、自然発生的にできたキャンプで長期間の生活を強いられることとなった。同国では、もともと予防接種率が低く、予防接種は最優先すべき活動の一つであった。日本赤十字社は、地震発生直後より医療チームを派遣、診療所での活動と平行して、ハイチ保健省、WHO、ユニセフによる大規模予防接種キャンペーンに参加した。日本赤十字社は、ハイチ赤十字社のボランティアの協力を得て、約1ヶ月で35,217人に接種し、終了時に行った無作為調査では、75.7%の接種率であった。しかし、他機関も含めた活動全体では、終了までに3ヶ月を要し、対象人口の62%の接種率にとどまった。災害後の予防接種キャンペーンでは人口が流動的であるために迅速性が求められ、接種対象者とワクチンの選定、他機関との協働に課題があった。
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