職域の非対面の行動的快眠プログラムにおける目標行動設定とセルフモニタリング‐読書療法のみとの比較‐
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概要
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職域の非対面の行動的快眠プログラムにおける目標行動設定とセルフモニタリング―読書療法のみとの比較―:足達淑子ほか.あだち健康行動学研究所―背景:睡眠教育は,ヘルスプロモーションおよび生活習慣病予防の観点から重要な健康課題であり,その集団アプローチとして実用的で効果的な方法が望まれている. 目的:本研究の目的は,職域における非対面の簡素な行動的睡眠改善プログラムの効果を評価することであった. 方法:研究デザインはクラスター比較試験であり,参加者330名を読書療法のみの群(読書群BTG;n=130)と,読書療法に目標行動設定とセルフモニタリングを加えたセルフ群(SCG;n=200)の2群に分けた.会社の地域別事業所からそれぞれ別々に募集を行い,募集条件は設けず誰もが参加できた.参加者は全員が小冊子と最近の睡眠と健康の話題についての簡単な情報を受け取った.それに加えてSCGの参加者は習慣改善の目標行動を設定し,それらを4週間セルフモニタリングした.質問票から,ほぼ全員が睡眠に関して何らかの問題を有していることが示された. 結果:SCGのうち158名(79%)とBTGの106名(82%)が終了時の質問票に回答し,前後の質問票から睡眠指標を2群間で比較した.2群間に明らかな差はなかったが,SCGのみで入眠潜時が29.5分から21.4分に,睡眠効率が88.8%から89.9%に増加した.BTGでの変化は有意ではなかった.3日間の睡眠日誌の再分析によると,両群とも主要な睡眠指標(睡眠時間,夜間覚醒回数,要起床時間,睡眠効率)が有意に改善していた.入眠潜時と夜間覚醒時間,昼間の眠気はSCGのみで改善していた. 結論:追加された目標行動設定とセルフモニタリングは,読書療法の睡眠改善効果を促進しうることが示唆された. (産衛誌2010; 52: 276-284)
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