情報サービス産業における労働職場環境特性が労働者の心身の健康，職務不満足及び離職意向に及ぼす影響

概要

論文の詳細を見る
「健康職場モデル」の概念を用い, 組織特性を含めた労働職場環境特性が, ストレッサーとして労働者の心身の健康, 職務不満足及び離職意向に及ぼす影響を検証することを目的とし, 国内の情報サービス産業某社の従業員612名を対象に, 2001年7-8月に自記式質問紙調査を実施した(有効回答率96.2%). うち, コンピュータ · テクニカルサポートスタッフ488名を最終的な分析対象とした. フォーカスグループを用いて労働職場環境特性の項目を新たに作成し, 因子分析の結果から29項目7因子を得, 「評価制度の未熟性」「管理方式の未整備」「キャリア · 見通しの曖昧さ」を「組織特性」の尺度, 「同僚のサポートの低さ」「上司のサポートのまずさ」「作業環境の低い快適性」「仕事の量 · 質の要求度」を「作業 · 職場特性」の尺度とした. 重回帰分析の結果, 「組織特性」と労働者の健康及び離職意向との有意な関連性が認められ, 「組織特性」が重要であるという「健康職場モデル」の概念を支持する結果であった.
公益社団法人日本産業衛生学会の論文