加齢ウサギの心電図変化に関する研究
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概要
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無処置の高齢ウサギ(日本白色種,雌雄,40~63ヶ月齢)9羽の心電図記録を行い,若齢ウサギ(日本白色種,雄,5ヶ月齢)6羽との比較を行った。雌では50ヶ月齢以上のすべての個体(4羽)で高頻度の上室性期外収縮とP波持続時間の延長が観察され,そのうち2個体では高頻度の心室性期外収縮が認められた。これらの個体では上室性頻拍や第一度房室ブロックも伴っていた。39~40ヶ月齢の雌2個体では,1個体に軽度の上室性期外収縮が認められたが,他の異常心電図はみられなかった。雄ではすべての個体(3羽)で低頻度の心室性期外収縮,2個体で低頻度の上室性期外収縮が観察された。P波の持続時間延長は1個体でのみ認められた。なお,5ヶ月齢のウサギでは,これらの異常心電図は観察されなかった。以上の成績から,高齢化に伴い期外収縮とP波持続時間延長を主徴とする異常心電図の発現が増加する傾向があり,特に雌ではその傾向が強いことが明らかとなった。
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日本獣医循環器学会 | 論文
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