種皮褐色遺伝子Rcが玄米の抗酸化能に及ぼす影響
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概要
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種皮褐色遺伝子(着色遺伝子)Rcの同質遺伝子系統であるT65Rcとその親系統のP.T.B.10および台中65号を用いて, Rc遺伝子と玄米の抗酸化活性の関係を明らかにした.XYZ活性酸素消去発光法による赤米品種・系統の玄米および発芽玄米の過酸化水素消去活性は,白米の約9倍と著しく高かった.一方で,同質遺伝子系統のT65Rcと戻し交配親の台中65号における過酸化水素消去活性には有意差がなく,両者の値は白米と同程度に低かった.さらに,玄米のDPPHラジカル分光測定法においても,赤米品種・系統のラジカル消去活性は白米に対し有意に高かったが,T65Rcと台中65号のラジカル消去活性に有意差はなく,その活性は白米と同程度に低かった.これらの結果から,赤米の品種・系統の玄米および発芽玄米は,白米に比べ高い抗酸化活性を有していることが確かめられた.しかし,着色遺伝子 Rcの同質遺伝子系統と親系統を用いた抗酸化能の比較から,赤米の抗酸化活性に着色遺伝子 Rcは関与しないことが示唆された.
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