パーキンソン病の嚥下障害の病態はいまだ明らかでない。当院神経内科でパーキンソン病と診断された16症例に対し,嚥下造影検査を施行し口腔期,咽頭期の嚥下動態の検討を行った。パーキンソン病患者では重症度および罹病期間に相関して,舌の運動障害と早期咽頭流入が生じており,食塊の送り込みが障害されていた。罹病期間が長くなると梨状窩の造影剤の残留と喉頭侵入の割合が増加した。