慢性中耳炎に対するレボフロキサシンの効果
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概要
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levofloxacin (LVFX) の抗菌作用は濃度依存的であり,さらにpostantibiotic effect (PAE) としての効果を有している。そのことから投与回数を減らし1回投与量を増やすことは有効と考えられる。LVFXの中耳組織内移行度を測定したところ, 200mg内服後の組織内濃度は2.67-11.16μg/mlであり, 100mg投与時の報告と比べ高値であった。そこで耳漏を認める慢性中耳炎症例50例に対し投与法の違いによる有効性の違いを検討した。症例を無作為に400mg1日2回分割投与群と300mg1日3回分割投与群とに分け,耳漏の量および検出菌,visual analogue scale (VAS) による自覚症状改善度について効果判定を行った。耳漏の量およびVASについては,二つの群に有意差を認めなかった。しかし検出菌については, 400mg1日2回分割投与群では菌が検出された14例中5例で菌が消失したが, 300mg1日3回分割投与群では8例全例で菌の消失は認めなかった。
- 耳鼻と臨床会の論文