外耳道真珠腫に類似した第一,第二鰓弓症候群
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概要
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外耳道真珠腫と第一,第二鰓弓症候群を鑑別する特異な病理所見や検査はない。今回,術前に外耳道真珠腫を疑ったが,手術所見と病理所見をあわせて,最終的に第一,第二鰓弓症候群と診断した症例を経験したので報告する。7歳女児と71歳男性で,繰り返す外耳炎および耳痛を主訴にしていた。外耳道後壁にdebrisが充満する上皮の陥凹を認めた。手, 術時, 2例とも乳突部に進展していたにもかかわらず,乳突腔は開放されておらず,皮質骨が保たれていた。剥離時に外耳道真珠腫に特徴的な上皮の陥入を伴った浸潤性の骨破壊がみられず,容易に摘出できた。また病理所見により真珠腫でよくみられる異物炎症反応を伴っていなかった。このため,外耳道に開口する第一,第二鰓弓症候群と考えた。
- 耳鼻と臨床会の論文