成人耳鼻咽喉科領域感染症に対するケテック®錠の有効性の検討
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概要
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2004年11月から2005年2月までに、感染症状が明確な上気道感染症 (副鼻腔炎、扁桃炎あるいは咽喉頭炎) に罹患した20歳以上の外来患者にケテック (R) 錠 (TEL) を投与し、有効性と安全性を検討した。急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎の急性増悪および扁桃炎・咽喉頭炎に対するTELの総合臨床効果 (有効率) はそれぞれ63% (5/8例) 、60% (3/5例) および85% (18/21例) であり、全体としての有効率は77% (26/34例) であった。有害事象は1例に咽喉頭違和感が発現し、発現率は3% (1/40例) であったが、TEL投与中止後、症状は速やかには消失した。TEL投与前の細菌学的検査で検査対象菌種 (Staphylococo aureus、Streptoccus pneumoniae、Streptpcoccus pyogenes、 Haemophilu, influenzaeおよびMoraxella catarrhalis) は合計28株が分離された。これらの菌株に対してTELは1μg/mLですべての菌の増殖を抑制した。TELは耳鼻咽喉科領域感染症の主要な起因菌に対して強い抗菌力を有しており、本領域感染症の治療薬となり得る。
- 耳鼻と臨床会の論文