Target controlled infusion (TCI) を用いた声帯内方移動術
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
われわれは甲状軟骨形成術I型や披裂軟骨内転術を施行する際に、プロポフォールによるtarget controlled infusion (TCI) を用いた全身麻酔下に施行している。本麻酔法により疼痛が生じやすい部位、手技的に困難な部位を全身麻酔下に操作でき、その後速やかに覚醒させ発声、声門の観察が可能であった。よって本麻酔法により、患者の負担が軽減し、上級医による後進への指導が容易であった。麻酔による舌根沈下の可能性を考慮し、気道確保のために、ラリンジアルマスクと経鼻エアウェイを用いたが、ラリンジアルマスクは発声時に披裂を圧排し、声帯移動量を正確に評価できない可能性があった。これに対して経鼻エアウェイは気道確保に問題はなく、声帯の位置へ影響を与えず、声門の観察が容易であった。
- 耳鼻と臨床会の論文