治療に難渋した外傷後の気管狭窄症例
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概要
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治療に難渋した外傷後の気管狭窄症例を経験した。症例は52歳、男性。仕事中の転落事故により頭部外傷を来し、同日気管内挿管を受けた。約1カ月後に抜管したところ呼吸困難を呈したため緊急気管切開を受けた。気管内の多発性肉芽による気管狭窄と診断され、治療を受けるも軽快しないため、2001年7月18日当科紹介入院した。長期挿管と局所感染による気管内肉芽に加えて胸骨裏面の骨増殖による気管圧迫、気管軟骨の気管内腔への突出が重複することによる気管狭窄であった。本症例に対しては抗生剤およびステロイドを併用した保存的治療とともに段階的手術を施行し、初診から3年後に気管切開孔を閉鎖することができた。
- 耳鼻と臨床会の論文