Lemierre症候群と考えられた化膿性血栓性内頸静脈炎例
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概要
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Lemierre症候群は扁桃炎、咽頭炎より波及する血栓性内頸静脈炎から重症の敗血症、多発性転移性感染症などの重篤な全身症状を呈する感染症である。今回われわれはLemierre症候群の1症例を経験した。症例は32歳男性。主訴は発熱、咽頭痛。CRP 22mg/dlと高度の炎症反応、血小板40,000/Mm<SUP>3</SUP>と低下を認めたため敗血症によるDIC を疑い入院となった。血液培養にてグラム陰性桿菌である<I>porphyromonas asaccharolitica</I>が検出された。CT、MRI、超音波検査において、肺野に空洞を伴う病変および胸水、頸部リンパ節腫大、内頸静脈内腔の血栓形成を認めた。クリンダマイシン、メロペネムなどの抗生剤投与と、ワーファリンによる抗凝固療法による保存的治療により軽快した。急性扁桃炎重症例においては、本症候群への進展を念頭におくべきである。そして本症候群と診断された場合、迅速で適切な治療が必要である。
- 耳鼻と臨床会の論文