下鼻甲介後端部よりの後鼻出血症例
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概要
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日常診療している多くの鼻出血のうち、時折遭遇する難治性鼻出血の大半は、直視し難い鼻腔後半部からの鼻出血か、組織の破綻部位が鼻粘膜の比較的深層のため表傷面の変容に乏しく、また出血が反復噴出性で出血時の比較的多い血流のため、位置が特定し難い細動脈性の鼻出血か、あるいはこの両者を兼ねた症例の場合が考えられる。これらの鼻出血のうち、鼻腔深部外側方向からの出血で、出血個所を左下鼻甲介後端部と推測して、その止血にHunnicuttの方法と電気凝固、および圧迫タンポンによる治療を試みて、幸いに治癒した症例を経験した。同じ鼻出血でも症例により、出血部位と破綻した血管の種類を推測して、慎重に治療を進める必要があると思われた。
- 耳鼻と臨床会の論文