嚥下障害を呈した皮膚筋炎の病理組織像について
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概要
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皮膚筋炎により高度の嚥下障害を呈した一症例における病理組織像を検討したので報告をする〇症例は70歳の女性であり、輪状咽頭筋切断術施行時に、病変の伸展範囲を確認するために頸部諸筋からの生検も行った。輪状咽頭筋、甲状咽頭筋、食道筋に筋線維の萎縮や線維化が認められたのに対し、広頸筋、胸鎖乳突筋、肩甲舌骨筋、胸骨甲状筋は、ほぼ正常な組織像であった。輪状咽頭筋の病理組織像は、高度の嚥下障害に対して輪状咽頭筋切断術を行った過去の報告例と同様であり、共通した所見であると考えられた。咽頭収縮筋や食道筋において選択的に炎症が生じ、筋萎縮や線維化に至る原因は、現時点では不明であり、さらなる検討が必要である。
- 耳鼻と臨床会の論文