喉頭ATL症例
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概要
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症例は82歳男性。主訴は嗄声。現病歴は、1999年5月中旬より嗄声出現。同年6月下旬当科初診。初診時所見は、左声帯1/2前方から前交連にかけて、声帯から声門下に甲状軟骨の範囲で腫瘍病変があった。同年7月2目全身麻酔下にて生検術施行。病理診断で悪性リンパ腫疑いのため、THP-COP1クール施行した。しかし腫瘍は増大傾向で、軽度の呼吸困難を訴え始めた。検査にて抗HTLV-I抗体陽性で、病理確定診断もATL の診断を得た。全身検査 (CT、エコー、シンチなど) では喉頭以外の部位で異常所見は見られなかった。よって、喉頭原発ATL症例と診断し、VEPA+MCNU3クールと放射線治療40Gy施行した。経過良好のため当科退院となったが、残念ながら退院後他病死した。喉頭原発ATLは本邦でも報告は非常に少なく、若干の文献的考察を加えて報告する。
- 耳鼻と臨床会の論文