頭頸部進行癌に対する化学療法と放射線の同時併用療法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
前治療のない36例 (stage III: 7, IV: 29, resectable: 25, unresectable: 11) に化学療法と放射線の同時併用療法を行った。原発部位は下咽頭が9、副鼻腔が8、喉頭が6、上咽頭が4、中咽頭が4、口腔が3、耳下腺が1、原発不明頸部が1例であった。治療方法は5-FUを1000mg/m<SUP>2</SUP>で4日間の持続点滴とCDDPは60mg/m<SUP>2</SUP>を4日目に投与する治療を、放射線治療開始と5週目に行った。放射線は1日に2Gyを60から70Gyまで行った。放射線は40Gy終了時に1週間の休止期間を設定した。有害事象は粘膜炎 (grade 3, 33%, grade 4, 11%)、嘔吐 (grade 3, 44%)、白血球減少 (grade 3, 17%)、貧血 (grade 3, 3%) がそれぞれ認められた。計画通りに2コースの化学療法が投与できたのは81%であった。放射線の平均線量は65.4Gyであった。平均放射線休止期間は5.1日であった。12例 (33%) でCR、22例 (61%) にPRを得た。本療法は毒性を認めるものの、適切な処置を行えば安全に投与でき、局所の制御率も良好であった。
- 耳鼻と臨床会の論文