tympanometryを用いた蝸牛小管の機能評価についての基礎的研究
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概要
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内耳圧の変化が関与する内耳疾患の病態機序の解明の序として、内頸静脈の圧迫を行い、tympanometryおよびsweep tympanometryを測定し、そのパラメータと、乳突蜂巣面積、蝸牛小管径とを比較検討し、蝸牛小管の機能評価を検討した。内頸静脈圧迫による中耳インピーダンスの変化は、中耳腔の圧変化でなく、上昇した脳脊髄圧が蝸牛小管を経て内耳に伝搬することで生じると考えられた。また、安静時と内頸静脈圧迫時のtympanogramを比較することにより、蝸牛小管径を推定し得ることが示唆され、内頸静脈圧迫時に認められたcompliance減少・回復の軌跡は、蝸牛小管径の影響を受けることが示された。本研究より、内頸静脈圧迫によるtympanometryのpeak pressure、static complianceの変化が蝸牛小管の機能評価につながることが推測された。
- 耳鼻と臨床会の論文