プルラン結合アレルゲンによる減感作療法の治療成績:一般試験
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概要
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プルラン結合アレルゲン (ポセプラン) の有効性・安全性の評価を、スギ花粉症患者で評価する目的で、多施設による一般試験を実施した。問診でスギ花粉飛散期に一致して発症または増悪し、IgE抗体RAST (スギ) 2以上あるいは皮膚テスト (スギ) 陽性の15歳以上65歳未満のスギ花粉症患者を対象とした。1997年に83例、1998年に57例の合計140例がエントリーされ、それぞれ花粉シーズン終了後治療を開始した。医師の有効度評価では、「有効」以上は1998年が68.4%、1999年が71.1%であった。従来のスギアレルゲンによる減感作療法の治療成績と遜色のない結果であると考えられた。一方、安全性において、137例中15例 (10.9%) に因果関係が否定できない有害事象が発現した。そのうちの1例にアナフィラキシー反応と思われる症状が見られ、体調の悪い際には投与量を減量させるなどの注意が必要であると考えられた。以上ポセプランは、プルランを結合することで高い安全性と従来のアレルゲンエキスに劣らない有効性を兼ねた減感作療法剤であるといえた。
- 耳鼻と臨床会の論文