頭頸部扁平上皮癌のFasリガンド免疫染色
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概要
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頭頸部扁平上皮癌27例において抗Fasリガンドポリクローナル抗体を用いた免疫染色を行った。27例中8例で癌細胞に陽性像を示した。しかし、Fasリガンド発現性と術後TNM分類、分化度、放射線治療の奏功度との関連性は認めなかった。症例によっては癌細胞以外に癌細胞周囲において間質および正常上皮細胞にもFasのリガンド発現を認めた。以上の結果から、癌細胞はFasリガンドの発現を持つものはアポトーシスを誘導により癌の進展を抑える。しかし、その反面、癌周囲組織である間質、正常上皮細胞にFasリガンドによるアポトーシスを誘導させることは癌の浸潤、転移にとっては有利と考える。
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