声帯内注入療法における注入材料としての筋膜に関する基礎的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
成犬10匹を用い、声帯に注入された自家組織由来の筋膜の組織学的、免疫組織化学的、電子顕微鏡的検討を行った。観察期間は2週間から6カ月であり、いずれの時期においても筋膜は声帯内に残存していた。注入された筋膜内やその周囲組織における炎症性反応はごく軽微なものであり、筋膜周囲には被膜の形成は認められなかった。組織反応は注入3カ月後にはほぼ沈静化しており、それ以降は周囲組織の影響を強く受けることなく存在するものと思われた。筋膜は、声帯内注入療法における注入材料として優れた特質を備え、今後活用されるべき注入材料と考えられる。
- 耳鼻と臨床会の論文