咽喉頭異常感症と胃食道逆流 (GER)
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概要
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咽喉頭異常感症と胃食道逆流 (GER) との関連性について検討した。その検査方法として、生理的でかつ逆流現象を客観的にとらえることができるRI法を選択した。そして、過去に咽喉頭異常感症と診断されて通常の内服治療を受けたが効果を認めなかった46例を対象として検査を施行したところ、31例に逆流を確認した。この検査において、食前坐位 (a) 、食前仰臥位 (b) 、食後坐位 (c) 、食後仰臥位 (d) に条件を設定して検査を施行した結果、食後坐位 (c) の状態で最も多く逆流を認めた。また、逆流の到達距離を測定したところ、20cm以上が最も多く、それも食後坐位で多く認められた。逆流パターンは坐位ではspike pattern、仰臥位ではdelayed patternが主に認められた。局所所見との関係では、梨状窩において唾液の貯留が認められた症例は6例であり、その中で逆流 (+) の症例群は5例で全例食前坐位 (a) において認められた。また、披裂部の発赤は13例に認められ、その中で逆流 (+) の症例は11例であり、中でも10例が食後の条件下で生じていた。そして、逆流値が20cm以上の症例が5例であり、下咽頭喉頭まで達しているものと考えた。その上、3例の食後仰臥位 (d) ではすべて20cmを超えており、この体位ではdelayed patternが多いため逆流物の停滞時間が長くなり、侵襲が大きくなると思われた。
- 耳鼻と臨床会の論文