最近5年間の中耳奇形症例の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中耳の奇形は耳介や外耳道などの外表奇形を伴う場合が多いとされているが、中耳単独の奇形も必ずしもまれではない。1993年4月から1998年3月までに当科が経験した、耳介・外耳道奇形を伴わない中耳奇形10症例14耳を1: キヌタ骨長脚の異常、2: アブミ骨底板の固着、3: アブミ骨下部構造の欠損の3群に分類し、性別、左右差、術式、手術による聴力の変化について検討した。その結果、中耳奇形全体では性差, 左右差はみられず、術前の平均聴力は1群が42dB、2群55dB, 3群71dBであった。手術による聴力の改善は全例で良好であり、各群とも約20dB前後まで平均聴力の改善を得られた。中耳奇形症例に対する、手術的治療の効果は著しいものであった。
- 耳鼻と臨床会の論文