上顎癌症例における皮下埋め込み式リザーバーの使用経験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
上顎癌に対する、動注療法は集学的治療法の一つとして繁用されている。しかし、上顎癌の動注療法に使用した動注用カテーテルは退院時には抜去され、退院後は使用されないのが現状である。今回使用した皮下埋め込み式リザーバーは、(1) 動注時の感染の可能性が低いこと(2) 退院後も外来にて動注が簡便にできること(3) 日常生活の制約が少ないこと、などの利点がある。一方上顎進行癌患者のQOLを考えると、高い奏効率と少ない副作用で、外来治療が可能な治療が期待される。すなわち、保存療法として放射線療法と化学療法を行う上顎洞進行癌において、皮下埋あ込み式リザーバーによる選択的動注療法は、臓器保存・QOLの向上に有用である。
- 耳鼻と臨床会の論文