ocular flutterと体幹失調を主症状とした脳炎症例
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概要
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眼振のみられない頭位変換時の悪心・嘔吐で初診し、ocular flutterに至る異常眼球振動と体幹失調が急性に進行した33歳男性の症例を報告した。MRIでの異常は明らかでなかったが、脳脊髄液の単核球増加がみられ、脳幹脳炎あるいは小脳炎と考えられた。ステロイドパルス療法などにより約3ヵ月の経過で後遺症を残さず軽快した。本例でみられた異常眼球運動は急速眼球運動(saccade)に関連した異常であり、生理学的な神経回路から、原因病巣をpause neuronの存在する橋正中部か、それに影響を与える小脳室頂核が存在する小脳正中部と考えた。
- 耳鼻と臨床会の論文