アレルギー性鼻炎患者におけるQOL (第1報):スギ花粉症飛散期のQOL
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概要
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スギ花粉症を対象に、世界的に認知されたHRQOLであるSF中36調査表を用い、スギ花粉飛散ピーク時のQOLを検討した。4施設から240名が対象として登録された。1998年の花粉量は例年より少なく、前年の約1/3であった。SF上36の8サブ・スケールとQOLスコアをいくつかの項目で比較した。年齢の項目では、ほとんどのサブ・スケールで年齢が上がるほどQOLスコアは低下する傾向がみられた。性別では女性は男性と比べ低く、VT、SF、MHには有意差がみられた。合併症を有する患者も QOLの低下がみられた。鼻症状が重症になるほどQOLスコアはいずれのサブ・スケールでも低下する傾向がみられたが、今回は中等症で最もQOLスコアが低値を示したサブ・スケールもみられた。眼症状の関係では、いずれのサブ・スケールでも重症になるほどQOLスコアは低下し、特にVTでは無症状と中等症の間に有意差がみられた。以上のように、スギ花粉症においてもQOLへの影響は少なくなく、特に精神機能への影響が大きく、このような面を考慮して患者の治療、生活指導に当たっていくことが重要と思われた。
- 耳鼻と臨床会の論文