迷路機能高度障害例における重心動揺の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一側高度CP例について重心動揺検査を行い、面積、軌跡長、単位面積軌跡長について検討した。全101症例、自発注視眼振を認めた症例18例、測定時自発注視眼振を認めなかった症例83例すべてにおいて、軌跡長と面積は強く相関した。高度迷路障害例では軌跡長に比べ、面積がより障害される傾向にあり、迷路は身体動揺の面積のモニターを主に行っていると考えられた。一方、測定時に自発眼振がなく、面積が正常値になっているものは既に代償されているものと考えられ、それらにおいては単位面積軌跡長が大きな値をとる傾向があった。これより迷路機能の障害では代償されると、細かく速い身体動揺で姿勢を維持していると考えられた。細かく速い動きは深部感覚の働きによるところが大きく、一側迷路機能高度障害例であっても、その代償には深部感覚が大きく関与している可能性があると考えられた。
- 耳鼻と臨床会の論文