CEAが高値を示した耳下腺papillary cystadenocarcinoma例
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概要
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CEA (carcinoembryonic antigen) は腫瘍マーカーの一つであるが、唾液腺腫瘍とCEAに関する報告は非常に少ない。今回、著者らは高CEA血症を伴った耳下腺悪性腫瘍を経験した。症例は73歳男性で、右耳下腺部の腫脹と高CEA血症の精査のため当科を受診した。術前検査で耳下腺悪性腫瘍が疑われたため、腫瘍摘出術を施行した。病理組織は非常にまれなpapillary cystadenocarcinomaであった。また、右上深頸リンパ節転移を認めたため、右保存的頸部郭清術も施行し、術後に放射線治療を追加した。高値を示していた血清CEA値は腫瘍摘出後に正常値に戻り、現在術後約3年を経過しているが安定している。一般にごくわずかの唾液腺悪性腫瘍が高CEA血症を示すことが知られており、それらにおいて経過を追う過程で定期的な血清CEA値の測定は有意義であると考えている。
- 耳鼻と臨床会の論文