嚥下困難、眩暈を主訴としたWallenberg症候群の2例:特にMRI所見について
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概要
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70歳および64歳の女性で嚥下困難、眩暈歩行障害を主訴としたWallenberg症候群を呈した後下小脳動脈血栓症と思われる2例を経験し、90日および40日でほぼ完全に治癒せしめることができたので報告し、その臨床症状を述べ、その障害部位について検討を加えた。症例2のMRI所見は、延髄には所見は見られず右小脳半球後下面のみに病変が見られた。これは、延髄外側部は不全梗塞であり、病変軽度のため描出されなかったと思われた。Wallenberg症候群の場合、文献的に考察してみると嚥下障害の他に眩暈を主訴とする場合も多く、このような症例が内科医のみでなく、耳鼻咽喉科医を訪れることもかなり多いと思われるので、われわれ耳鼻咽喉科医もこの症候群に対し充分な知識を有していなければならないと強調した。
- 耳鼻と臨床会の論文